安駒

ムーンライティングの安駒のレビュー・感想・評価

ムーンライティング(1982年製作の映画)
4.8
ポーランドから出稼ぎに不法滞在労働しにきて、ひどい環境で働き、国は労組左翼団体の弾圧がひどくなり、妻とも連絡取れず、金をごまかし部下をごまかし、盗みと万引き頼りの日々。やがて破滅へむかう。
話だけ聴くとやりきれないんだけど、ジェレミーアイアンズが不器用にもあくせくして雑念やら政変やらで苦心しながら必死に納期まで仕事を終わらせようとする姿が爆笑と憐憫を誘う。
早春のようにドタバタコメディでありながらバックにはサスペンスのような重たいノイズが流れる。
ヘンテコな演出がスコリモフスキらしくもあり、家をリフォームするだけという地味な話なのに、果たして主人公は仕事をやり抜くことができるのか??!ポリにしょっぴかれまいか??!という興味の持続が続き、ハラハラドキドキ、目が釘付け。
スコリモ監督曰く、ポーランドで左翼弾圧が始まったニュースを聞いてすぐ作ったそうです。盗みや万引きのエピソードについては曖昧に答えながらも「時効だよね」みたいなこといってました。
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