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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスのpikaのレビュー・感想・評価

3.5
素直に純粋な気持ちで映画に臨むことができなくなってしまったようで、御涙頂戴的な感動演出やキャラクターのギャップが生む「あいつ、こんな奴だったんだ、、感動!」的なベタさ、チビグルートの愛らしさなど、観客の感情を誘導するような、余白や自由度のないエンタテイメント映画に懐疑的な姿勢(公開日に見に行ってるくせに)で臨み、そんなミジンコレベルの反抗心をアフリカ像のごとき存在感とパワーで圧倒し、感動させ、なんなら涙腺の蛇口をぶち壊され、大満足させてくれた傑作だった。

オープニングタイトルから前作以上に小憎たらしいドヤ顔が透けて見えて、序盤あたりまでは「続編って難しいな、古き良きベタなエンタメを再構築して斬新さへと昇華、成功させた前作とおんなじテイストじゃ焼き回しだろうよ」と冷めた目で見ていたのに、音楽で煽られ、感動を誘われ、小気味良いギャグで笑わされ、「笑え!」「泣けよ!」と畳み掛けられ、もう、もう、可笑しいし感動するし泣けるっす!!!
静まり返った映画館で何度堪えきれずにふき出したことか!

どうやったって魅力的なキャラクター達は愛さずにはいられないし、音楽とのマッチングも素敵だし、ベタなのに新鮮なドラマはワクワク楽しいし、往年のエンタメ然としてシニカルな針を突くような演出が絶妙だし、完璧じゃなくアチコチ抜けてる、その抜けがたまらなく魅力的な完璧さで、既存にあるもの、使い古されたようなものをこうも鮮やかに斬新なまでにリミックスしてしまうとは、計算し尽くされた狡猾さにまんまと心奪われた。チクショウ!エンドロールまで隅々と憎たらしい!
小憎たらしく、最高!
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