おだまき

オデッセイのおだまきのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
4.8
一人で火星に取り残された宇宙飛行士がサバイバルし、救出を目指す話。


昔家族で劇場鑑賞しましたが、また観たくなり再視聴。悪者がいなくて、頭の良い人達が知恵を絞ってベストを尽くすのが気持ちいい!とても好きな作品です。お薦め!!


SFによくある人間関係による内輪揉めでのトラブルがなく、明確な"悪者"がいないところがこの作品の中で一番好き!観ていて気持ちいい!
作中トラブルは続出するけれど火星や宇宙の環境によるもので世界中の天才達が知恵を絞ってベストを尽くす。地上の技術者も、主人公以外の宇宙飛行士も皆見せ場があり、頭が良い。
「自然vs人類」って感じがグッときました。

一発で上手くいく訳じゃなくて、失敗したり、あれはこれはと試行錯誤して一歩一歩前進していくところが好きです。特に火星と地上で通信するまでの下りが好き。

"祈り"がないところも好き。「あとは祈るだけだ」、「神様···」だったり、運が良くて~みたいな場面がなく、確率の話はするけれど思考を止めずに知恵と技術で少しずつ前進していくのがいい。


家族で最初に観た時、私はジャガイモに興奮し、両親は70年代ディスコミュージックに笑顔になっていました。サバイバル作品って生死が関わる分暗くなる印象があるのですが、本作は明るいテンションで好きです。また、明るい雰囲気である分、シリアスな場面が際立っていて良いなーと思いました。

以下ネタバレあり








ヘルメットにヒビが入った時にガムテープで何とかなっちゃう所と、最後の腕の空気抜きと、全体的に空調や気圧が正常になるのが早い気がした所が若干気になりました。現実だとどうなのだろう?


主人公演じるマッド·デイモンの表情がいい。基本明るくユーモアある分、シリアスな場面での表情がグッとくる。
文章で通信出来た時の嬉しい表情、農場爆発事件の「クソッ」って叫ぶ時の顔、残ったジャガイモを数える時の苦しげな顔、脱出する時の泣き顔が特に好き。
人とコミュニケーションが取れた時に特に表情が崩れるのが、孤独でストレス限界だったのが感じ取れて好きです。暗い考えだと正気を保てなくなるから、自分を奮い立たせるためにあえて明るく振る舞ってたのかなーと思ったり。
あと、宇宙飛行士メンバーといる時の、主人公の末っ子感が好き。


字幕、吹き替え両方観ましたが、個人的には字幕が好みです。特に、農場爆発事件の「クソッ」は、吹き替えよりマッド·デイモンの生声の方が切迫感ある印象を受けました。


2022-7 ☆レビュー300作品目☆
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