火星に1人取り残された植物学者。次の探査機到着までの孤独なサバイバルが始まる。そしてたった1人のためにあらゆる国々が協力し合い、前代未聞の救出劇が開始される。
この様な宇宙モノでは閉鎖感や圧迫感に締め付けられたり、ハラハラさせるシーンが常套だが、本作でも勿論そういったシーンもあるが、どちらかというと明るく逞しく問題を解決していく姿に、自分も人類の1人として応援してしまうし、逆に彼から元気をもらう様な、明るいパワーを持った作品だった。彼が孤独さに潰されることも無く、発狂するそぶりも見せなかった事が本作の大きな特徴である。
問題の発生や解決など、少々ご都合主義にも感じる点はあるが、一つ、また一つと解決して出来ることが増えていく様はまるでゲームの様で実に気持ちがいい。
また、地球側の、彼を何とか救出しようとする人々の団結や水面下での知略なども非常に面白く、様々な関わり方があるが、それでも想いは一つという大きな地球の温かさを感じることができた。そういう意味では各国の狙いなどの政治的な問題は殆ど考慮されておらず、非常に平和的な世界であった。