火星の人。
近い未来、NASAは有人火星探査を実現した。
さまざまな探査任務をこなす乗務員たちだが、火星の巨大嵐に見舞われてしまう。
火星からの撤退を余儀なくされる彼ら。
撤収作業の最中、運悪く飛んできたアンテナに当り吹き飛ばされた乗務員マーク・ワトニーは、意図せずも火星に置き去りにされる。
幸運にも生きのびたマークだが、通信手段を断たれ、食料、水、酸素も残り僅か。
生存は絶望的だった。
だが居住ユニットに戻った彼は、救援が来るであろう5年先を見据えてサバイバル生活を始める。
生存するために最適な方法を模索する彼。
やがて地球でもマークの生存を確認し、コンタクトを取れるようになる。
僅かな希望の光が見えたその刹那、予想だにしない事故が彼を襲う...。
火星で完全ぼっち状態。
彼のもとに残されたものは、限られた食料と僅かな資源のみ。
更に地球から救援に来れるのは、何と5年後!
だが、極限状態に置かれても常にポジティブシンキング、人間性を失わずユーモアを忘れず発想力に富んだ、マット・デイモン演じるマークは非常に魅力的だ。
「目の前の危機をどうやって乗り越えてくれるか」
水を確保し、土を作り、ジャガイモを育て、小さな成功に喜び、残された音楽に文句を言い、楽しみを見出す。
彼の発想は、観客を常に驚かせ、期待させる。
どのような状況下でも諦めず、目的を見据え、計画を練り、今自分が出来ることを、冷静に一つ一つ積み重ね、少しずつでも前に進むこと。
それは、今の日常を生きる我々にも、当たり前だが簡単には出来ないことだ。
そんな彼だからこそ、あの「大事故」を乗り越えられたのだろう。
地味な展開ながらも、物語のその先を期待させ、ワクワクドキドキさせてくれた作品だった。
ハナマル!
2018/06/27