＜「おっぱい！」は無かったです＞
原作である小説「火星の人」を読んだことがあるのですが、はっきり言って映像化するにはかなり難易度が高いんじゃないかって思える内容です。火星の描写だけでなく宇宙船でのやり取りや事故のシーンなどなど、地球上ではまず起きないようなシーンばかり出てきます。また、火星の居住区内で淡々と生き延びるためのシーンって結構動きが少ないので映像化しにくいんじゃないかなぁって思っていました。
ただ、素直な感想は「かなり面白かった！」ですね。悲壮感漂うPVとは裏腹に、小説どおりの明るく下ネタや陽気さ溢れる内容にしてくれたのはかなり良かったと思います。映画の中で「見て！ おっぱーい！」と主人公が地球に向かって叫ぶシーンが無かったのはかなり残念でしたが、「科学を駆使して生き残る」という知的なサバイバルゲームと極限状態でも希望を捨てない生き方に感動しました。
火星でのミッションで事故に合い１人取り残される主人公。しかも次に火星に探査機が来るのは４年後。さらに食料も足りなければ水、酸素も微妙という状況下で生き延びなければならない。そんな極限の状況で、植物学者である自分の知識をフル動員して火星の地で作物を育てて食料を生み出したり、火星を探索し以前のミッションで放棄されていた通信設備やロケットを探しだしたりと意欲的に前向きに生きる姿は凄まじく感動です。
またセリフは基本ブラックなユーモアだらけ。船長の持ち込んだ音楽データをディスったり、仲間に主人公の専攻である植物学が役に立たないとディスられたり・・・絶望的な状況下でもとにかく明るい雰囲気の映画でした。小説どおりの展開で大満足です。
久々に面白いと思える映画に出会えました。オデッセイは観る価値のある素晴らしい映画だと思います！
