洋画好きのえび

オデッセイの洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
3.8
観たいと思って録画していたのに忘れていた作品。公開当時は「火星でDASH村」なんて言われていたけど、実際に観てみたら超超超ハードなDASH村+無人島からの脱出みたいな感じだった。あと、キャストが予想外に豪華だった。

火星の有人探査に参加した植物学者でNASAの宇宙飛行士のマーク・ワトニー。他のクルー5名と共に火星の地表を調査していたところ、大規模な砂嵐が彼らの下に迫っていることが発覚。このまま火星に留まり続けることは危険だと判断した船長に従い、クルー全員で火星を離脱するために退避ロケットへ向かう。砂嵐の暴風の中、必死に退避ロケットに向かうクルー達だったが、暴風に吹き飛ばされたアンテナがワトニーに激突。ワトニーはその衝撃で遥か彼方に吹き飛ばされた。砂嵐で視界を奪われ、ワトニーの宇宙服が発する信号が拾えず、他のクルーはやむなくワトニーを置いてロケットで火星を離脱した。ところが、奇跡的にワトニーは生きていた。ワトニーはただ一人火星に取り残されてしまったのだった…

本作はもちろんフィクションだけれども、なぜ宇宙飛行士が狭き門なのか、なぜ知識が大切なのかということを痛感させられる作品だった。予想外の事態に臨機応変に対応できる発想力、過酷な状況にも耐えられる精神力、専門知識… これらの素養がなければ、とてもではないが未知の世界では生きていけないだろうな、と。とりあえず、勉強って大事。目的が受験や資格試験であったとしても、得られた知識は行く行くは自分の助けになる。
そして、シチュエーションはかなり過酷なサバイバルなのに、ワトニーが決して明るさを失わないのがとても良かった。楽しそうにイモを育てたり、失敗しながら水を作ったり、ビデオ日誌にもジョークを織り交ぜ、明るさを失わない。この「明るさを失わない」というのは、非常に得難いけれども、過酷な状況を生き抜く際には必須の能力なんだろうとしみじみ感じた。自分にそういう素質がないから余計にそう思ったのかもしれない。

宇宙モノにしては派手ではないし、ハラハラドキドキアドベンチャーではないけれど、良質な作品だった。