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聖テロリズムのwigglingのレビュー・感想・評価

聖テロリズム(1980年製作の映画)
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横川シネマの山本政志監督傑作選にて。2時間超える8mm作品って初めて観たかも。あまりのパワフルさとフリーダムさに加え、アングラ色の強さに大いにやられる。観る者を選ぶタイプの作品ではあるけど、この上映はとにかく貴重なのでその筋の人は必ず観るべき。

1980年頃の新宿を舞台にした性と暴力の群像劇。これまで観る機会がなかったのはこういう事かと。こんなとんでもない内容じゃ上映するのも難しいよな。薬物で殺人強盗を繰り返す男、銃で意味もなく無差別殺人を行う裕福な少女、その娘に殺されてマンションの貯水槽に浮かぶ口数の多い屍体、出張白黒ショーで生計を立てる男女、その他怪しげな人々が蠢く当時のアングラ界隈の空気感が充満した世界。プリントの傷み具合とも相まって強烈な体験になった。

結成まもないJAGATARA(クレジットは財団法人じゃがたら)が出演してるのも見所。劇中で流れる「LAST TANGO IN JUKU」はまだFunk色のない自分が知らない頃の彼らのものですね。この特集上映はJAGATARAの歴史に触れる事ができるという点でも要注目かと。
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