ハレルヤ

パレードへようこそのハレルヤのレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
4.2
1984年のサッチャー政権下のイギリス。政府により炭鉱閉鎖に追い込まれそうになっている炭鉱労働者たちを支援しようと、同性愛者たちが会を結成する。境遇を乗り越えて友情を築いていく両者の絆は国をも動かしていく実話を基にしたコメディドラマ。

前々から傑作と聞いていたので見たかった作品でしたが、知人がDVDを借してくれたので念願の初鑑賞。その期待通りの素晴らしい作品でした。

ゲイとレズビアン。今でこそ理解が深まっている時代ですが、37年前の当時は明らかに偏見を持たれていた時代。話も聞いてもらえない。暴言や時には暴力を振るわれる時も。劇中ではその厳しい差別を痛感する場面が多くあります。

そんな目に遭いながらも彼らは同じく厳しい状況にある炭鉱で働く労働者たちを支援するために募金活動を行います。最初はウマが合わない事もありましたが、彼らの率直な姿勢から打ち解けていき、立場も関係なく固い絆で結ばれていきます。

人と人が助け合うという根本的に大切なところに対してしっかりと踏み込んだ内容。そして一連の活動を通じて登場人物1人1人の人生観にも大きな変化が訪れるというヒューマンドラマも平行して展開されています。

キャスト面でも安心感抜群のビル・ナイに、後に「1917 命をかけた伝令」で主役を演じるまでになったジョージ・マッケイの演技も注目。ゲイである自分と堅実な家族との関係に悩むものの、ありのままの自分が大事という事に気づくジョーを見事に好演していました。

80年代UKロックナンバーの数々が物語を盛り上げて、ラストのパレードは感動で熱くなります。かなりの秀作。これは真剣にお勧めしたい一作です。
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