踊る猫

パレードへようこその踊る猫のレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
3.7
評価に苦しむ……つまらないと言うわけではないではないのだが、「これぞ!」とこちらを唸らせてしまうようなところにも欠けるというのも正直なところで、手応えがないと言うか……社会派の映画としてはなかなか頑張っている方だと思うのだけれど、ケン・ローチの映画にも時折感じてしまう如何にも英国ならではの気の効き過ぎたイヤミな雰囲気と、意地でも「隙間」を作るまいという計算し過ぎたセリフ回しや音楽の多用にこちらを休ませてくれるような瞬間を感じさせない、「テンパった感」がこちらをちょっと辟易させる。あとはサッチャー政権と音楽について、そしてエイズについて当時の盛り上がりをそれなりに知っていないとやはりキツいのでは、と。そう考えるとなるほどケン・ローチの巧さはそうしたドメスティックな風土に依存し過ぎていないところから来るのかな、などと考えてしまう。
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