140字プロレス鶴見辰吾ジラ

コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

1.9
”ローカルアイドル”

カナダという世界的絶妙なまでのローカル性を保持した国の”ゆるキャラ”テイスト溢れる映画。

正直駄作中の駄作と切って捨てて問題ないレベルの映画であるが、なにせ憎むことがギリギリできないラインを飛行する今作の不思議さは、”可愛いは正義”の名の下に、繰り広げられる”ズルさ”にあると思う。

こんなアホ映画に娘とともに登場するジョニー・デップのトホホ感は、良い意味の”可愛さ”と言って差し支えない。そしてリリー・デップのスレンダーな立ち絵と相方の可愛げあるポッチャリ感の苦にならないライン取りがまた憎めない。

女子高校生のキャッキャする日常と間の抜けた虚構が、真夜中のポテトチップス的な愛嬌を兼ね備えている。

しかし手抜き映画言って差し支えないことの顛末の乱雑さはまた事実あるところであり、可愛い女子が背中合わせで悪に立ち向かう描写にて観賞魚やゆるキャラの立ち位置と熱量になり、力むことのない優しい世界観でもあるところが味気ない食パンにピーナッツバターを塗りたくるようでもある。

エンディングソングのカナダ国家ロックチューン版と可愛さ溢れる躍動感は、こんなところで若さを浪費する彼女たちの数少ない目撃者として、ローカルアイドル的であるようにやさしく思う。