とある男と女が出会って別れるまでの5年間を描いたミュージカルラブストーリー。
まずは特殊な構成が目につきます。
男女それぞれの視点から映画は進んでいくのですが、
男視点:出会い→別れ
女視点:別れ→出会い
というように、短いシークエンスを繋ぎながらそれぞれの視点が逆行していくという構成になっているのです。
ただ、その構成が効いているかと言えば正直なところ微妙で、変則的なわりに特に仕掛けなどはなくいたずらに分かりにくくなっているように思います。ただ、男女のすれ違いがテーマの作品なので、構成自体がテーマを体現しているのはとても良いと思います。
また、前提として全編が歌だらけのミュージカル映画を母語以外で観るのはキツイですね。日本語で歌ってくれれば歌を聴く=物語を追うという単純な図式になりますが、これが日本語じゃないとなると、歌を聴くことと字幕を読んで物語を追うことの2つの作業を脳内で同時に行わなければならず、結果話が入ってき難いという現象が起こるわけです。全編歌だから吹き替えもないですからねぇ。
ただ、全編歌なのと、短いシークエンスが繋がっていることから映画というより全曲PV付きのコンセプトアルバムを聴いているような感覚で観られました。全体で一つのまとまったストーリーというよりは、男女の出会いとすれ違いという大きなテーマを各章が独立して描いたものの集まり、という感じです。だから全体の印象は薄くてもところどころ刺さる部分はありましたね、はい。
しっっかし、やっばり恋愛はクソゲー。