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花と蛇2 パリ/静子のdaiyuukiのネタバレレビュー・内容・結末

花と蛇2 パリ/静子(2005年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

美術評論家・遠山隆義(宍戸錠)の、歳の離れた貞淑な妻・静子(杉本彩)。ある日、夫の頼みで画学生・池上亮輔(遠藤憲一)への援助を続けるかどうかを見極めるべく、パリにある彼のアパートを訪れた彼女は、池上にモデルになるよう要請され、恥辱的なポーズを取らされるうち、次第にその作業に陶然とのめり込んでいくのであった。
やがて、完成した一枚の油彩画“剥き海老ころがしの図”。
早速、静子はそれを日本に持ち帰ろうとするも、池上は絵の本当の価値を知りたいと、ブラック・マーケットへの出品を提案。
池上の才能を信じる彼女は、仕方なく、彼の妹・小夜子(不二子)に付き添われ、古城のオークション会場へと赴いた。
ところが、そこで彼女が目にした物は、自分をモデルにした春画の数々だった。
しかも、その中の一枚は池上が描いた絵とそっくりだった。
池上の将来を守る為、彼の絵が贋作ではないと、自らの体を張って証明しようとする静子。
しかし、オークションを仕切る司祭の下した判定は――贋作。
名誉を汚したとして、彼女はバイヤーたちの目前で春画に描かれたポーズと同じ格好をさせられてしまうのだった。
ところが、全ては遠山の仕組んだことだと判明する。
高齢の為、性的に衰えを見せていた彼は、まだ見ぬ静子の魅力を引き出したい一心から、池上にSM調教を依頼したのだ。
そんな夫の愛を受け入れた静子は、勃起促進剤を使用して彼と交わることを決意。
だが、心臓に持病を抱える遠山は、静子の体の上で絶命した。
その後、静子のプロデュースにより池上の絵は日本で評価され、彼の成功を見届けた静子は、死んだ夫を想いながら、自分の体に贖罪の鞭を自ら振るった。
石井隆が、団鬼六の傑作SM小説に挑戦した映画化第2弾。
前作よりも、石井隆監督お得意の「村木と名美」の男女の切ない愛憎劇に寄せて描かれたメロドラマが主軸になっている。
一途に夫の遠山を愛しながら野心的でワイルドな池上の才能と魅力に惹かれ淫乱な本性が目覚めていく静子をめぐる遠山と池上を交えたいびつな三角関係、老いを目の前にしてやり残したことを実現するために悪魔に魂を売る遠山の哀愁を、前作よりも遥かに激しい杉本彩を遠藤憲一がSM調教するシーンや激しいラブシーンそしてブラックマーケットの舞台上で杉本彩があぶな絵を自らの肉体で再現するシーンなどアンモラルでセクシーなシーンを通して描かれていて、石井隆監督作品のファンなら満足出来る傑作セクシー映画になっている。
池上が描いた絵として登場する、石井隆が劇画家として描いた「名美」の絵に、石井隆ファンはニヤリとさせられます。
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