おみおくりの作法の作品情報・感想・評価

「おみおくりの作法」に投稿された感想・評価

これやられた、かなり面白い
イギリスのロンドンで民生係として働く男の仕事っぷりを描いた映画なんですが
ほんと上手く出来ている
話自体はなんとなく、オスカー・ワイルドの短編「幸福な王子」を連想した
あれですよね、町の丘にたつ王子の銅像がツバメに頼んで身に着けていた宝石を貧しい者たちに分け与えていく、そんな話
本作にそれと近いものを感じたんですが、まあそのくらい普遍的で、いくら時代が変わろうと名作として語り継がれるだろう要素をもった作品と言えるんじゃないのかな
しかし、これ淡々とした描写が続くんですが
繰り返しに見えて、主人公である男の変化、喜怒哀楽によって描写もまた変化している事に気づくと
演出の巧みさに絡めとられて、物語に一層引き込まれる
その巧みさのせいだと思うけど、ファンタジックなラストシーンにも違和感が無かった
むしろ、あー良かったと
報われたね、と
本当、観ている間は幸せな時間を過ごせた
短文感想

2015年は良い映画が目白押しの年だった。
今作もそのひとつ。見逃していたのだが、やっと観ることができた。

ジョン・メイ(エディ・マーサン)は地域の民生係。いわゆる孤独死を迎えた身寄りのない、若しくは引き取り手のない人を弔う事が仕事である。
自身も身寄りがなく、友達もいない。
だが、腐りもせず実直に熱心に仕事に取り組む姿が胸を打つ。。

静かで、温かくて、ささやかで。
優しくて、慎ましやかで、穏やかで。

人のせいにしたり、社会を恨んだり、毒を吐いたり、酒に溺れたりせず、淡々と自分の仕事に邁進するだけ。

シンプルだけど、なかなか難しいこと。
彼の人柄が今作の品格を保っている。

そんな折、人員整理の為解雇を言い渡されたジョンは、最後にビリーという男の"おみおくり"をすることになる。

ビリーの遺品から彼の人生を遡るうちに様々な出会いがあり、少しずつ変わっていくジョン。
諦めかけていた新しい人生の扉が開きそうになった、その矢先…!!

悲しくもあり、切なくもあり、それはないよ、、と泣き崩れた後に、静かに差し込む光。。

そうか、そうだったのか。。

全てが氷解し、これで良かったと思える。

人生なんて、そんなものかもしれない。

どこから見るか、どう感じるかで、同じ人生でも受け止め方が変わる。


色んな映画や小説とダブる所があった。
悼む人、おくりびと、嫌われ松子の一生、
ミュージカルCats、泣いた赤鬼、、

でも、そのどれとも違うラストに私は言葉を失った。。

何とも言えない余韻にしばらく身を委ね、
体の奥の方からあたたかいものがゆっくり溢れてくるのを、じっくり味わった。


とても、好きな作品になった。。
あぷ

あぷの感想・評価

3.2
こんなにも救いのない結末があって良いものかと思った直後、最後の最後に泣かされた。
感動と表裏一体の切なさに胸が締め付けられる。
ドラマチックな出来事は起こらない。
言葉少なに淡々と。
それは静かに寄せては返す波のような余韻を残す。
shiho

shihoの感想・評価

-
なんだろうこの爽やかさ
無駄のない余韻がやけに淋しい
BiBi

BiBiの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

切ない。マーサンさんの切な顔がまた切なさを倍増させて辛い。
ラストはどうなんだろう、あれって幸せって取れるんだろうか。
メイが他人のために良いことをしてきたのは確か。でも、やっぱり生きているうちに幸せになって欲しかったなぁ。
エディ・マーサンは良い俳優さんですね。
たの

たのの感想・評価

4.2
ひとりぼっちで死んでいく人たちをおみおくりするひとりぼっちの善良な男。
善良すぎるんだよな、笑ってしまうほどに。
なんか怒られそうだけど、クライマックスで大爆笑。いい。

このレビューはネタバレを含みます

身寄りがなく亡くなった人の人生を辿り、その人のための葬儀を執り行って、最後のお見送りの仕事をするおじさんの話。
クビを宣告された主人公は、最後の仕事として自分のアパートの真向かいに住んでいた男性の人生を辿ることを決意する。馴染みのあった場所・人を巡っているうちに、孤独である自分自身の心も満たされていく。
そして、迎える最後。男性のために費やした時間が実るように、出席を拒んでいた人たちが皆葬儀に集まってくれた。しかし主人公はいない。交通事故で死んでしまっていたからだ。悲しくも同じ日に、しかし主人公は誰にも見舞われることなく土の下へ埋められる。その対比の悲しさを打ち消すように、主人公の墓の周りには、最後の男性や恐らくこれまで見送ってきたであろう人たちが集まって囲んでいく。生死を問わず、主人公の行いは人の心に届いていたのだろう。


想像以上に良かった。
風景や背景の綺麗な感じもそうだけど、画面の切り替わり方や間の使い方、ところどころクスッと笑える要素もあって、全体的に暖かい感じかな。
最後の仕事になった身寄りのない男性の娘との出会いに、父性なのか恋なのか分からないけど発展性が見られた直後の主人公の死は、あまりに唐突で悲しかった。あんなに表情も柔らかく笑顔になっていたのに。

ただ、最後の男性が工場でやったように、辞めぎわに、心無いムカつく上司の車におしっこした時は爽快だった!

☆☆
非常に感性ある映画な気がした。周りにも広めたい。
skichi

skichiの感想・評価

4.0
なんて映画を作るんだろう。

最後、彼の最後の仕事の葬儀、
集まった人達の間の会話が想像できる。
「あなたと姉妹なのね」
「あなたが父の軍隊時代の親友なのね」
と。
上司が葬儀は故人のためのものではない、
と言っていたけど、その通りで、
親族や友人のためのもので、
そのお陰で彼らは新しいつながりができたわけ。
もちろんそうならない場合もあるんだろうけど、
故人が生きてきた人生があるんだから、
それを見直すことは残された人達にも大事。

退職の整理をしているオフィスで、
ベルトを巻くシーン、どきっとしたんだけど、
ほっとしたのに…

しかし、悲しく…温かく、
イギリス映画ならでは、かな。
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