とと

地上の星たちのととのレビュー・感想・評価

地上の星たち(2007年製作の映画)
4.3
より多くの人に、インド映画の価値を知らしめた傑作品、『きっとうまくいく』より2年も早く世に出たアーミル・カーン主演の作品。

『スタンリーのお弁当箱』の脚本を手掛けたアモール・グプテ氏が今回アーミル・カーンとタッグを組むことにより、いつものド派手な踊りや音楽はやや控えめで、シックな雰囲気で心情がより丁寧に描かれている。

失読症の少年に、過去の自分を重ねて魂を救い出す美術の教師。
『奇跡の人』もそうだったけど、過去の自分を乗り越えたからこそ、それが相手に伝わるし、理解もできる。
理解してあげるのも大切だが、そういう存在の貴重さを感じた。
少しでも人と違うと異物扱いされる世の中であるが、十人十色の人間がいるその奇跡を私は大事にしたいと思う。

少年イシャーンの目線をイラスト調で表現するところはもはや天才。
自尊心や逃げ場を失い、壊れていく過程がじっくり描かれているので、その分感動の波が倍になって押し寄せてくる。

自尊心が低い人は、承認欲求が人一倍あるらしい。高めてあげるには、そこを埋めてあげると良いそう。

感情による『怒る』と、理性による『叱る』の違いを丁寧に説明してくれるので、ビジネスや子育てにも参考になるのも見所で、美術と道徳の授業を一緒に受けている感覚になって、学びにもなる作品。

今回も心奪われました。