ヒーローの壁をぶち壊せ
癌で余命宣告を受けた男ウェイドは
馴染みのバーで超人的能力を得ることができる治療があることを知る。
彼は愛する彼女のため、治療を受けることを決意する。
「このシーン!面白いだろ?笑えよ!」
的な演出がたっぷりのあざとい映画は笑えないことが多いですが
今作に関してはそれがいい結果に繋がっていました。
マーベル史上最もゲスいヒーロー(?)という噂もありましたが
言うほどゲスくはなかったような気がします。
デッドプール誕生の物語だし、彼が超人になるきっかけも
かなりつらいものがあるため、過去のシーンは笑えるところが少ない。
本人が言う通りラブストーリーでした。
でも、しんみりしすぎず、
正義を押し付けるようなこともなく
よくあるヒーローものを批判してくれたことは
非常に喜ばしいことです。
特に好みなのは、見事にX-MENシリーズを皮肉っていること。
X-MENシリーズの一員であるという設定に拘ることなく
「プロフェッサーってマカヴォイ?ステュアート?」
と聞いてくるような斬新さが好きです。
攻撃の面でも、ヒーローものに全くなかった
一番効果的であろう攻撃「金的」をやってくれたことが嬉しい(笑)。
MCUのお笑い担当がアントマンなら
X-MENのお笑い担当がデッドプール。
そもそもデッドプールの初出はX-MEN ZERO。
当時と設定が違うので多少混乱しましたが
フューチャー&パストのせいだそうです。
全く問題作だね、フューチャー&パスト。
プロフェッサーに絶大な権力を握らせるX-MENですが
そこで反旗を翻し、その世界観をぶっ壊していくという
飽和状態のヒーローものの新境地を開拓してくれたのでしょうか。
まあ、結果的には勧善懲悪スタイルを変えることはできないんだろうけど。
それでも、デッドプールの今後の活躍に期待です。