ーcoyolyー

FOUJITAのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

FOUJITA(2015年製作の映画)
2.9
意識高い系監督の自己満オナニーに付き合わされただけだったな、というのが鑑賞直後の偽らざる気持ちです。

これ、「FOUJITA」だしレオナール・フジタの話なのかと思ったら、藤田嗣治の戦争画とその時代がメインの話だった。この題材なら戦前のパリ時代ではなく、前半が藤田嗣治と戦争画で後半においては戦後のレオナール・フジタを掘り下げるべきだったのでは?エンドロールでレオナール・フジタの宗教画唐突に持ってこられてもな。エンドロールでこれフランス政府から助成されてるの判明したので、ある程度の割合でフランス描かなきゃならないから前半無理やりに突っ込んだなとは意味は理解したんだけど、藤田嗣治(レオナール・フジタ)という題材にしっかり向き合ってたらそういうお茶の濁し方じゃなくて戦後を描かなければならなかったよね。

詩と小説の文法が違うように映像詩と映画の文法も違うのにその辺曖昧にしてしまってるし、こういう映像詩をやりたいなら題材は藤田嗣治以外にしなければならない。藤田嗣治をテーマにしたいなら、もっと藤田嗣治に寄り添う映像詩の撮り方ってあるでしょう。確かに綺麗な映像だけど、これ藤田嗣治ではないでしょう。戦争画を取り上げるなら藤田嗣治がレオナール・フジタになったくだりからも逃げちゃダメでしょう。ある程度藤田嗣治を知ってる人にしかわからない撮り方を選ぶ分には良いんだけど、その場合、知ってる人たちに対しては真剣に自分の解釈の藤田嗣治、レオナール・フジタはぶつけなきゃならないでしょう。なんとなーく曖昧な綺麗な映像で誤魔化しちゃならないでしょう。藤田の戦争画とその後も描かないで無責任に取り上げちゃならない題材でしょう。本当腹立つな。韓国映画のサービス精神の爪の垢でも煎じて飲め。独りよがりに「お芸術ですよー」って提出されても何より藤田に失礼だと思うわ。
(私は監督に怒ってるので、役者さんたちや美術始め裏方さんたちは良かったと思います。他の人たちが良かったので監督に余計腹が立ちます)
ーcoyolyー

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