やし

脳内ポイズンベリーのやしのレビュー・感想・評価

脳内ポイズンベリー(2015年製作の映画)
3.9
たかが恋愛。
されど恋愛。

恋人を作らない人、恋愛に興味ない人が今は珍しくないけど、恋愛って人を成長させてくれるものでもあるよね。


【オープニング】
いちこ30歳はある男性に恋に落ちる。 その時、場所は変わって黒服の男が言う。
「多数決をとる。話しかけるかどうか」

彼女の脳内では黒服の男女(子供老人含む)5人の会議が繰り広げられていた。


面白かった〜♪

テンポいいよね〜。
突如現れる上記の男以下、5人の黒服の説明はなく、ストーリー進行とともに各人の名前、キャラが分かってくるけど、
このヒロインいちこの脳内にいる、議長吉田、ポジティブ石橋、ネガティブ池田、トキメキ(?)ハトコ、記録係岸と、
個性バラバラなキャラの会話劇はネガティブキャラにイライラさせられながらも飽きさせない。
(自分はネガティブ池田にイライラさせられたけど、どのキャラにイライラするか、共感するかでその人が分かりそう)


オープニングの、好きな人に「声をかけようかどうしよう」、「どうやって声かけよう」、「何を話そう」、など恋をしたことがある人の大多数が共感できる"つかみ"も上手いし、
恋愛という自己チュー問題(悪い意味ではない)に、脳内会議という会話劇を入れることで、観客も物語に前のめりにさせられる。


登場するタイプの異なる二人の男性。
早乙女と越智。
いちこは二人の間をフラフラ揺れ動くことになるのだが、恋愛を通して"自分" というものを見つめ直すことになる。

どうする?いちこ。
…結果はお楽しみ♪


きっちり計算され、笑いも詰め込まれている脚本と、役者さんの素晴らしい演技(特に神木隆之介くんと吉田羊さんは地のようにも見えてしまうほどww)で、ポイズンベリーの如く観客の色んな感情をうまーく揺さぶってくれる。



個人的に残ったセリフ。
「前向きにって言うけど、あんたの言う"前"ってどこよ?」
やし

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