山田洋次の今までの業績は文句なしに素晴らしい。
そして、80を過ぎても未だに映画を撮り続けることにも敬意を表するが、
それと本作の評価は別もんである。
唯一面白かったのは、全員が集合した場面。
あーゆー「集まってガヤガヤ」は山田監督の真骨頂。
特段、面白いことを言い合っているのではないけど、
セリフの交わり方、スピード感はさすが。
寅さんを彷彿させる。
ただ、面白いのは一瞬。あの後の騒ぎで、なんかわざとらしい画面になってしまった。
あまり映画を普段見ない中高年の観客は笑うのかもしれないけど、こぶ平の仕草や緊急の医師があの人だったりするのは、錆びついた漫才見てるみたいで、苦笑してしまう。
取るに足らないお話を、最後になんとなくしっくりまとめる技は確かにあるのかもしれないけど、今更という感は否めない。
「ほのぼの家族」ではない、
「ギスギス家族」を描くあたりは、テーマとしは悪くないんだけど、
熟年離婚など新しい引き出しは少ないな。
西村雅彦と橋爪功の嫌な感じは流石にうまいね!