しょう

家族はつらいよのしょうのレビュー・感想・評価

家族はつらいよ(2016年製作の映画)
3.7
家族ってめんどくさいけど素晴らしい。素晴らしいけどめんどくさい。その両面をみせた上で、やっぱり家族っていいなって思える映画。

「仲がいい家族」たってグッと堪える誰かがいたり、本人がいないところでちょっと悪口話したりはするもんで。互いが互いにバランスをみて思いやってるから成立している、決して運命で結ばれた無償の愛の姿じゃないのよね。この映画みただけで家族円満の秘訣は我慢とガス抜きと愛情です、って結婚もしてないのになんか言えちゃう。

靴下を裏返しで脱がれるのが嫌だから脱ぎたての靴下をその場で受け取って洗濯機に持っていく我慢とか、父親が倒れれば葬式の手続きを話し合う無慈悲にみえた愛ある責任とか、ふとした場面で思考がつつかれて家族ってほんと不思議な関係だなって思ったり。

亭主関白な夫と家事育児に身を捧げた妻の子どもたちは、父と同じように亭主関白ちっくな夫として生きる者もいれば、女性ながら大黒柱となって働く者もいて、そして互いに対等な立場を築く夫婦を目指す者もいる。同じ家族でも生きる時代によって価値観は変わってくるもので、「家族」って「時代変遷」を体現してんだな、と。

山田洋次監督の作品はこれまでほぼみたことなく、全盛期の頃は生まれてもなかったのかな。だけど”男はつらいよ”とかがあれだけ愛されてる理由がわかる。心地よく刺さる喜劇作家なのね。