<偉才テレンス・マリック監督 40年の集大成にして最高傑作>(公式Web)らしいのだけれど、テレンス・マリック監督作、初見です、スミマセン。
宇宙のはじまりと生命の歩みを、現代の視覚効果技術を駆使して描いた映像の見ごたえは十二分。たまにはこういう映像を観るのも悪くないと思わせる。
日本版では冒頭に無常を詠った道元禅師の和歌が紹介される。なので、これは般若心経のような世界観が語られのかと、ちょっとワクワクしながらスタートしたけれど…。
うーん、微妙…かな。無常であるから、人は一瞬の光であり尊い、というようなことはなんとなく思ったけれど…。
自分が感じたことは、監督の意図とは違うかもしれないけれど、日本版でいうところの「母」「あなた」は結局は神の言い換えではないか、ということ。生命は常に変化しているけれど、帰るところ、よるべきところは「母」「あなた」みたいな。
「母」「あなた」とは何なのかと問われれば、東洋哲学的には「自分」とか言いそうな気がするのだけれど、どうなんだろう。
また「母」「あなた」は誕生するだけ、みたいなことを言っていた気がするけれど、成長し続けることを前提とする資本主義みたいな感じがした。
“不生不滅”派の自分にとってはアレだけれど、そもそもの誕生を描くとなれば、終わりを描かない限り、誕生するだけと言い切るのは当然かもしれない。
ということで自分にとっては、やはり西洋的世界観を描いた映画だったかも。