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セッションのhokoのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ストレス解消には映画が良いとはよく言いますが、こちらの映画の9割を占めるのはまさにストレスそのもの。
自身のトラウマ的な感情を抉られたのは、多分私だけじゃないはず。
観ているだけで胃が痛くなります。

ですが、だからこそあのラストが際立つわけで。
ラストシーンに辿り着いた時、ストレスに負けて途中で観るのを止めなくて良かったと心底思いました。

ステージ上、失意の底に落とされたニーマンが向かった舞台袖。
そこには父親が立っており、彼を優しく抱き締め「帰ろう」と声を掛けてくれる。
ニーマンはそこに確かな境界を見る。
自分の今居る世界がどこか、自分のこれから向かうべき世界はどこなのかを思い出す。そして静かに奮起し”あちら側”へ勝負を仕掛けに戻る。
ここ大好きなシーンです。

ラストの演奏シーンは、僅か一曲の間に2人の関係性が変化して行くのが凄く面白い。
関係性を超えて、抱える負の感情までも超越し、純粋に音楽のみに没頭する2人に只々圧倒され、我々ですら嫌な感情を忘れて没頭せざるを得ないのです。
演奏はもう圧巻。やばい。なんという映画だろう。
これ映画館で観たかったなあぁ〜〜。

ここ最近で一番スカッとした映画でした。
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