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セッションのmanaのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.8
【変態は2人いた】

ラストの10分は何度再生したことか。

この世には星の数ほどの映画があるというのに、まだまだこんなに衝撃的な物が作れるという事に「人間の創作は無限大だな」と大袈裟な気分になってしまう映画でした。

映画鑑賞の達人も、そうでない人も、いやむしろ映画通の人ほど「ああ、この映画の着地点はこうかな」という予想(と願い)を何度も何度も裏切られる、素晴らしい映画だと思います。

演奏シーンの撮り方も最高に格好良い。アップで映されるキックペダル。ライドシンバルに弾ける血と汗。

音楽・スポーツ青春物にありがちな「最後は成し遂げてハッピーエンド」
「彼は厳しいけど本当はいい人に違いない」
そんな希望的観測をことごとく破壊する展開。
見る者は無意識に祈ってしまいます。「どうか良い事があってくれ」と。
そんなセオリーを粉々にする映画。

「お前の事は大嫌いだ!だがその演奏は最高だ!」という変態(褒め言葉です)ワールドに主人公が仲間入りする。そう解釈してます。

ラストの主役2名、そしてお父さん。あちらの世界へ行った者と、置いていかれた者の顔。
実に素晴らしい表情の対比でした。