滝和也

セッションの滝和也のレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.2
狂気の中から産まれる
本物。

凄まじい嵐の様な映画。
圧倒的であり、あまりの
ラストに沈黙せざる得ない。

「セッション」

罵倒、しごき、完璧主義。原題の如く、鞭をいれるかのような、指導。才能を見出され、血の滲む特訓を受ける主人公はその狂気に侵されて行く…。

これだけなら、エースをねらえと変わらない。だがディミアン・チャゼル監督の狂気はさらなる深みを用意してくる。

やはりラストのシークエンスが圧巻であり、胸糞悪いながらも、納得せざる得ない。

私の世代にとってはスポ根アニメは当たり前。ぶん殴られないで一人前になる奴などいない。だがそこにはストレートな栄光が待っていたり、それを見て泣く指導者だったり(星一徹か!)する訳で…。

しかしこの監督、かなり癖のある展開を持ってきた…!やはりここが全てかもしれない。あの表情が全てであり、結果が全てなのだから。本物しかいらない世界なのだ。ほんの一握りしか成功しない世界であり、その中でもベストを生み出さんとするのは…。指導か罠なのか、それはわからない…。だがあの結果が全てなのだから。

今作は脚本だけではない。楽団における短いカット割、マルチカメラのスイッチ、編集による画面の迫力。アドリブによる、美しくも大迫力のジャズが正に映像化されたような錯覚に陥る。2人だけをフューチャーしたかのような暗めの撮影や、それ以外の対比となるような、撮影時にグリーンをいれた落ち着きある美しさは後のラ・ラ・ランドに繋がりを感じさせる。

主演2人の狂気の演技には脱帽だ。オタク色のある主人公マイルズ・テラーのドラムさばきと狂気に落ちながらも、這い上がるあの表情。罵倒と微笑みに本心すら見えなくなる狂気の指導者JK・シモンズ。吐き気がするほど恐ろしい…。

だが強いて言えば、私はこのやり口は大嫌いだ!普通の会社ならだが。他の方法もある!くらったことがあって、結果を出した本人が言うんだから間違いない!私は吐きながらも耐え、周りも守れた。だがその後は…その上長の異動先では全員辞めた…。今の時代、無理なのだ。絶対この方法はとらないと決めて、信念として働く自分には胸糞悪さも残る作品ではあったのでチョットマイナスしてます(笑)