てっぺい

セッションのてっぺいのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.0
【リズムで奏でる人間の狂気】
人の狂気を、言葉や武器などではなく、ドラムのリズムで描くこの映画の圧倒的なオリジナリティ。そのセンスに脱帽するばかり。

監督・脚本はデミアン・チャゼル、出演はマイルズ・テラー、J.K.シモンズなど。第87回アカデミー賞で5部門ノミネート、J・K・シモンズの助演男優賞など3部門受賞作品。

終始緊迫感に縛られる2時間。音楽を、
楽しむ目線ではなく、その精度の高さを耳で感じようとする、別次元の感覚に見る側が追いやられる。映画を超えてどんな媒体でもこの感覚を体感出来るものなんてないのでは。
アンドリュー(マイルズ・テラー)の熱意がやがて執念となり、狂気に変わっていく描写は、なまじどんなホラー映画にも出来ない背筋が凍る感覚を覚えるほど。血だらけでステージに立つ姿なんて狂気そのものだった。
そして圧巻のラスト。演奏のレベルの高さはもちろん、音を通じてフレッチャー(J.K.シモンズ)vsアンドリューの主導権が変わっていく展開なんて、この映画のセンスに脱帽でしかない。映画を通して連呼していた、チャーリー・パーカーの“バード”の域にまさにアンドリューが到達した、映画の山の美しすぎる作り方だったと思う。
J.K.シモンズの“恐演”っぷりも尋常じゃない。終始続く怒号、そして卑語連発でまくし立てる様が、とにかく映画全体の緊張感を極限まで張り詰めさせる、素晴らしい演技だった。
まあとにかく新感覚の映画でした。公開時に見逃していた自分が恥ずかしい!
余談だけど、自分はドラムのたしなみがあるので、音と手の振りが違う部分がラストも含めて多々あったのはちょっと気になりました。。