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セッションのstneのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.3

映画を見ていると、時折その映画をみているという自分を見る、ということは誰しもたびたびおきることだと思う。作品を追う中で、「これは物語なのだ」という、ある種の客観的視点を持って、映画に臨んでしまうことが。

それは物語の内容のチープさだったり、俳優の演技が下手過ぎることが要因になってくるのだろうけど、僕の場合その目線が視聴中に侵入すると、もうその作品には集中できなくなってしまう。

さて、本作である。

これといった大きなストーリーラインがあるわけではないのに、その圧倒的な演技によって、たった100分程度があっという間に過ぎ去っていき、その没入感は半端じゃなかった。

こんなものを見せられると、それらが映画であることを、忘れてしまう。

最後の十数分間の狂気と狂気がぶつかり合う″セッション″は圧倒的だ。

殊、映画は俳優というそれぞれに人生がある者たちが演じる以上、彼らのプライベートと作品が如何に離れることができるかが課題になる。

その中で、J・K・シモンズとテイルズ・マラーの二人の姿は、″演じる″という枠を悠に越え、それぞれがプライド、確執や意地を持ち、その場に生きる者として、誰しもが引き込まれたはずだ。

映画とは少なからず過去の作品の焼き増しではある。しかし、そこに生身の人間たちが加わることで、いかようにも進化していくことを、この映画が証明してくれる。