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セッションのoggyのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.4
怒りと狂気と怒り。

落ちこぼれが才能を見出され、挫折しながらも成長していくという、いわばサクセスストーリーを、あんな風に、夢や希望とは対極にある屈辱や怒りだけで描ききることができるのか、と脱帽。"Whiplash"という原題も秀逸。
誰にも「褒められて伸びる」部分と「悔しさをバネに成長する」部分があると思うが、後者を徹底的に痛々しいまでに抉り出しているのがこの作品。手放しに共感したり元気をもらえる映画ではなく、人によってはトラウマもの。フィクションだからこそ価値がある。

「さあ帰ろう」と肩を抱く父親に背を向け、舞台に戻る姿はまさに狂気そのもの。

人生の起爆剤となる映画のひとつ。
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