「英語で最も危険な言葉はこの2語だ
“good job”」
天才を生み出すことに取り憑かれた
“鬼教師”フレッチャー。
憧れのジャズドラマーになることに取り憑かれたニーマン。
2人の究極の師弟関係を描いた、
デイミアン・チャゼル監督最高傑作。
ジャンルとしてはヒューマンドラマと狂気を描いたスリラーを掛け合わせたような作品となっており、主演2人の圧巻の演技には息を飲むほどのハラハラとした緊張感が漂ってます。
アメも愛のかけらも無い純粋な”ムチ”を叩き込むフレッチャーの指導に耐え、
何を犠牲にしてでも、自分の夢に辿り着こうとするニーマンの姿に、底のない狂気を感じました。
芸術ってゴールや正解が無いから、
フレッチャーの指導方法が果たして正しいのかは素人の目線からでは分からないし、
彼の追い求める”天才”が、プロの観点から見た時に、果たして本物の天才なのかは微妙なところ。
だから、本作がプロのジャズドラマーや専門家から批判を受けてるっていうのには、納得できてしまう。
けど、そんなこと気にならなくなるほど、芸術的観点を無視して映画的な演出力と爽快な展開で押し切る、凄まじい熱量とカタルシスが詰め込められてる。
最高にしびれるラストは本当に完璧。
今まで観てきた作品の中で、
“ラストの完成度ランキング”
をつけるならば、間違いなく本作が1位です。
最後に見せる2人の表情がすべてを物語ってる。
それほどスタイリッシュでオシャレで狂気じみた、最っ高な作品。
史上最年少32歳で、アカデミー賞監督賞を受賞した”天才”デイミアン・チャゼルが作り出す、芸術的で美しい世界観を堪能したい方に、ぜひ観ていただきたい作品。