MONDAYTHEATER

セッションのMONDAYTHEATERのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.7
特集 音楽と共にあれ 後編

今作を見るのは3度目ですが、やっと本当の意味が理解できました。去年公開された「ダンガル」もそうですが、人は甘やかされるとダメになっていく生き物なんですね。私はパワハラではありませんが、以前勤めていた東京の旅行会社で社会人1年目の時に鬼のように厳しい次長がいました。もう毎日毎日こきつかわれて仕事はできないはテレポートでもしなければできないことを押しつけられるはで大変でした。なので今作に登場するアンドリューの気持は痛いほどわかります。しかし、今を思えば厳しさは財産になっていくのだということです。明らかなパワハラとは違いますよ。今作を3回観てすべて理解ができました。

ニューヨークにあるシェイファー音楽院に通うアンドリュー(マイルズ テラー)はスタジオ・バンド(ジャズ・バンドのようなもの)でドラムを叩いていました。ある日彼がドラムを叩いていたら指導員のフレッチャー(J.K. しシモンズ)がやって来て厳しい声をかけます。そこは良かったのですが、アンドリューは午前6時半に某スタジオへ呼び出されます。翌朝6時半にスタジオに行ってみると誰もおらず、混乱するアンドリュー。3時間後になってようやくバンドとともに練習に入るのですが、フレッチャーがアンドリューに才能があるのを発見し廊下へ呼び出し、彼の両親の話題になり優しく声をかけるフレッチャー。しかし、褒めたのがマズかったのかアンドリューの集中力が低下しいつの間にかテンポがずれはじめ椅子は飛ぶは目の前でビンタされるはもうメチャクチャのペチャクチャ状態になっていきます。

主演は「ファンタステイック フォー」「ラビット ホール」のマイルズ テラー。彼は才能あるドラマーから落ちていく姿は何となくわかります。今はどうでもいい人間の私はとても共感できます。初めての挫折は辛いですよね。でもそこからアンドリュー這い上がったのが良かったです。フレッチャーを演じるのはJ.K. シモンズ。彼はこの作品の演技で各賞を総ナメにしました。何となくサム ライミの「スパイダーマン」シリーズでの演技の印象が強いのですが、「マイレージ マイライフ」や「ザ コンサルタント」にも出演しています。そして、アンドリューのガールフレンドのニコルに海外ドラマ「スーパーガール」のカラことメリッサ ブノウが演じています。

監督は「グランドピアノ」「ラ・ラ・ランド」のデミアン チゼル。脚本も彼が手がけています。アンドリューもフレッチャーも彼が産み出したと言っても過言ではないですね。何となくジャズが好きなんだという印象です。「ファーストマン」も楽しみです。

好きなシーンはあのフレッチャーがアンドリューをほめてからアンドリィーの目の前で怒鳴りつけるまでの一連の流れ。車で走行中のアンドリューにトラックが当たる角度。そして、ラストのジャズコンサートは圧巻です。あのアンドリューとフレッチャーの駆け引きはたまりませんね。あと、後半フレッチャーが自分の本音を話すシーンも良かったです。

ただし、あんな都合よくバスのタイヤがパンクするかという感じです。

いい作品でした。とても良かったです。