タカシサトウ

セッションのタカシサトウのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
3.8
 観終わって、強烈な印象であった。音楽映画というより、スポ根ものの映画だった。

 フレッチャー(J・K・シモンズ)が仕掛けたことに対して、アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)が“キャラバン”を演奏していくところが、本当に乗れて最高だった。

 しかし、私は引っかかる所があり、後味が悪かった。フレッチャーは、伝説の男を作り上げると言いつつ、あんなことをニーマンに? そこが嫌だった。

 また、自動車事故もそうだが、それがニーマンの凄まじい演奏を引き出す為のチャゼルの脚本のあざとい言い回しのようで、そこら辺りが嫌だった。

 一方、フレッチャーを演じたj・K・シモンズが楽団員やニーマンを攻めまくるというか、いじめまくる所はこの上ない迫力で圧倒され、アカデミー助演男優賞も納得できた。

 幾つか不満はあるものの、心に引っかかってくる映画で、忘れ難いものになった。究極の者同士の対決という感じがあり、同じデイミアン・チャゼル監督の、「ラ・ラ・ランド」よりいいと思う(2019.7.15)(2022.12.4)。