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セッションのmoridonのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.7
ラスト10分の衝撃。

溜まっていたフラストレーションが最後一気に弾ける感覚。復讐にも思えるアンドリューの魂のジャズがフレッチャーとぶつかり合う瞬間、鳥肌が半端じゃなかった。

まず、指導という名目で行われる暴力について、私は100%否定的である。暴力という手段を使うということ、それは言って聞かせる力がないんだと自分で言っているようなものであり、何があっても指導者は暴力を正当化してはいけない。

だからこそ冒頭からフレッチャーに対してずっと嫌悪感を抱きながら観ていた。ところどころで良い人感を出してくるのも胸糞だった。だからこそ後半はフレッチャーをしっかり悪として描いている点が好きだ。

しかしながらフレッチャーの存在が無ければアンドリューの才能が開花することは無かったのだとしたらなんとも皮肉な話である。このフレッチャーの存在、善と悪のせめぎ合い、倫理観の瀬戸際を描く絶妙なバランス、その描き方が素晴らしい。

ラ・ラ・ランドよりも圧倒的にこっち派。
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