ヨウ

セッションのヨウのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.9
え??こんな凄かったっけ???
なんだこの完璧な傑作は…
2年前に自室で観た時と全く違う体験…
映画館で観るセッションがこれほどまでに素晴らしかったとは…凄すぎて絶句です…
自分の中でララランド超えしてきたかもな…
デイミアンチャゼルは正真正銘の天才ですね。

わたし、今日からセッションをオールタイムベストにします🙋‍♂️

人物を後ろから撮りまくるチャゼルの技法、めっちゃ好きだな。



初見時2020年6月23日

日本における昭和時代の体育会系顔負けの狂気の指導。その迫力に観ているこっちまで震え上がってしまう。血の滲む努力とはこういうことをいうんだと知らしめてくれる。ドラムのことしか考えずに死にもの狂いで奮闘するアンドリューの姿に感銘を受けて自分もこれくらい頑張らなきゃという気持ちになる。事故に遭って血だらけになりながらも演奏しようとするアンドリューの強靭な精神には驚愕した。怒涛の展開に目を見張るばかりである。憎しみ合いながらも深い絆で結ばれているようなアンドリューとフレッチャーの関係性がなかなか興味深くて面白い。でもやっぱりフレッチャーはクソ野郎としか思えないんだよね。終盤でアンドリューを上げておいて一気に蹴落とすあの性格の悪さには引いた。彼の人格や指導方法にはやはり不快感を抱く。限界を追い求めるいきすぎた指導は人を窮地に陥れてしまうという教訓が描かれている気がする。いずれにしろ、今作のような異常な指導方法は絶対に真似されるべきではないと強く感じる。全ての思いが詰まったアンドリューのラスト演奏には誰もが酔いしれることであろう。あれを観るために今までがあったんだと思えるくらいに素晴らしいものであった。最初から最後まで一気に駆け抜けていくような凄いつくりで集中力が切れることなく鑑賞に没頭できる面白い作品であるが、同時にさまざまな危険性を含んだような問題作でもある。
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