きぬきぬ

キャリントンのきぬきぬのレビュー・感想・評価

キャリントン(1995年製作の映画)
3.9
画家ドーラ・キャリントン(1893-1932)の伝記映画ながら、彼女が出会い、心から深く愛した、ブルームズベリー・グループ(E・M・フォスターも参加していた)の作家で同性愛者のリットン・ストレイチーとの関係に焦点が当てられてるから、ドーラ・キャリントンの画家としての存在よりも女の業としての側面が大きい。
お互い惹かれ合い愛を抱いても、リットンは同性愛者でドーラは肉体的に満たされないから、彼女は複数の男性(これが、サミュエル・ウェストやらルーファス・シーウェル様やらスティーヴン・ウォディントンやらイケメン揃い!)と関係を持ち、当時としてはスキャンダラスな彼女の男たちとリットンを含めた複雑な関係が生まれて行くのだけど、そんな危うさの中でも、ドーラとリットンの二人でいるときの穏やかさが美しく好きなんだなあ。
肉体も愛し合えれば芯から幸福だったかもしれない。
彼女の愛はリットンにしかない、そんなどうしようもない愛の残酷さが痛切。

リットンの恋人がジェレミー・ノーサムだったり、英国俳優好きには堪らない作品でもあります。
ドーラ・キャリントンのエマ・トンプソンも素晴らしい!
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