YokoGoto

暮れ逢いのYokoGotoのレビュー・感想・評価

暮れ逢い(2013年製作の映画)
3.3
『約束』という言葉がなまめかしいのは、それが守られるか守られないかが分からないから。

青年:『その香水の銘柄はなんですか?』
夫人:『どうして?』
青年:『あなたの香水の銘柄を知りたいから。』
夫人:『ルール・ブルー(青の時)よ』
青年:『あなたに似合う。』

極めて、口説き文句に使える名セリフ。(笑)


貧しいながらも聡明な青年が、その仕事ぶりを富豪に認められ社長秘書になったが、若く美しい社長夫人に恋をする、というラブストーリー。
監督は“仕立て屋の恋”、“髪結いの亭主”のパトリス・ルコント。

舞台は、戦前・戦後のドイツだが、キャストはイギリス人で全編英語のセリフで構成されたメロドラマ。

ストーリーはベタベタの古典的な道ならぬ恋なのだが、主役の2人が、極めて現代人っぽく、美男美女なので、時代感はあまり強くない。

ディズニー映画“シンデレラ”の王子役だった彼の演じる、夫人に恋する真面目な青年像は、なかなかグッとくるものがある。
反面、夫人役のレベッカ・ホールは、アン・ハサウェイとスカーレット・ヨハンソンのイイトコどりをしたような美しい夫人ながらも、どこか残酷。(笑)

明らかに立場的に男性が不利なのに、全く悪意なく2人の関係をコントロールしてしまうところに、ほのかに女性の嫌らしさを感じてしまう。(笑)

しかし、ラストにかけて、その嫌らしさを回収してしまうあたりは、監督の技。

最終的には、古典的な上品さでまとわれていくような感じがあった。


比較的、ベタベタなメロドラマではあるのだが、富豪の夫の描き方が上品でいいな、と思った。この上品さがなければ、かなり痛いメロドラマになっていたことだろう。