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バトル・オブ・ライジング コールハースの戦いのizrのレビュー・感想・評価

2.0
マッツさん目当てで鑑賞。
主人公コールハースが男爵に不当に商品の馬を奪われ、更にはそのことで国王に直訴に向かった妻を殺され復讐する話。と云っても復讐というより、理不尽に負けず正しいことをやり遂げる、といったような映画です。そのことでたとえ自分の身が滅ぶことになろうとも。

人様のレビューの通り科白は確かに少なくはありますが、それは不自然な感じではなくこの作品の背景に合った科白量だと思います。マッツさん主演の他作のヴァルハラ・ライジングと比べると科白はかなりありますし。
無駄を極限まで省き、演者の表情や演技で魅せている映画だと思います。
母を殺害され父とも離れなければならない結末を予感しつつも娘が取り乱したりせず聞き分けよく冷静でいるあたりで、わたしは逆に現実味があると感じました。力ある者に逆らって罰を受けるということも、それに対し力のない身分の者はどうしようもなく受け入れるしかない非情な現状がよく表現されていてとても現実味があった。世の中はいつだってそんな世界です。だからこそ“己の正義を通す”ということが、大切ですし愚かなことでもある。
残される娘のことを考えると止めて欲しいと思ったが、わたしも男爵は許せないなと思ったのでコールハースの気持ちも理解出来る。
どんな結末を選ぶかは自分次第ですね。せめて結末は自分で選べたら幸せだと思います。

理不尽なことに立ち向かうという、またしても心がガリガリ削られるつらい映画ですが、作品としては良かったと思います。原作を読んでみたくなりました。
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