むさじー

「僕の戦争」を探してのむさじーのネタバレレビュー・内容・結末

「僕の戦争」を探して(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

<挫折した若者と優しい中年男が人生を見つめ直す旅>

挫折した若い二人が、アントニオの温かい人柄に触れ、少しだけ人生に前向きになろうとする。
そして、アントニオは若い二人に明るい未来を託すという真摯なメッセージが込められている。
教師アントニオを演じたハビエル・カマラの、ハゲで風采が上がらない独身中年男性のキャラは、独特の存在感を示している。
最も印象に残ったのが、料理を温めようにもガスが点かず、アイロンを逆さにして、そこに鍋を置き温めるというシーン。
多少の不便さとか辛さとかは難なくクリアする人で、とても“いい人”なのである。
だから求婚した相手にそんな気持ちが無くても乗り越えていけるし、でもそんなことばかりではやはり切ないので、後ろから応援したい気にさせる不思議な魅力を持っている。やや“寅さん”的キャラか。
爆発力はないが、優しく温かくジンワリ心に響くロードムービー。
ただ不満なのも、その達観していて、淡々とし過ぎている点である。
むさじー

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