円柱野郎

陸軍中野学校 雲一号指令の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

陸軍中野学校 雲一号指令(1966年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

陸軍中野学校を卒業した主人公は、任地となる中国へ向かう途中に指令変更を受け内地の神戸へと戻る。
そこで新兵器を積んだ輸送船の爆破事件について調査にあたることになるが…。

前作のラストで外地での任務に就くという振りがあり、冒頭は朝鮮半島を汽車で北京へ向かう途中の場面。
しかし重要事件のために内地へとんぼ返り…という流れだけど、まあ実際に続編を作るにあたっては、外国を舞台にするよりも国内を舞台にした方が作りやすいという事情かねえ?などとこの強制リセットの理由を勝手に推測。
でも理由はそんなところだろう。

ということで、今作では神戸を舞台に機密情報漏えいの真相を調査することになるのだけれど、度々映される山の上からの市中の眺めはどうも戦前というよりは戦後の街並みの様な。(当たり前か。)
そこはご愛嬌だし、気にしちゃいかんところだけども。

ストーリーは前作の地に足着いた諜報活動というテイストを守ってはいるし、スパイものではお約束のガジェットやハニートラップも出てくる。
だけど、全体的にはスパイというよりは事件の捜査や推理をメインにした刑事もののテイストが強い感じかな。
90分の刑事ドラマと思えば良く纏まっているし飽きずに観られたけれど、前作で感じたような戦前の空気や身分を捨てた主人公たちの覚悟の様なものは控えめになった印象でもある。
…物足りない、とまでは言わないけれどもね。
まあ前作と同年公開のプログラムピクチャー2作目であれば十分楽しめます。
そういえば、ラストの爆薬探しであの機械はいったい何を感知していたのだろうか…謎だ。

主人公たちに対抗心を出してくる憲兵は佐藤慶のアクの強い感じが良い感じにハマってる。
(こういうキャラが女に脇が甘いのはお約束なのか…?)
主人公を演じる市川雷蔵は、今作では関西弁ペラペラの調子のよい男に変装したりと変化があって面白いね。
市川雷蔵は関西出身なので関西弁もお手の物ですな。
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