しげのかいり

ブラックハットのしげのかいりのレビュー・感想・評価

ブラックハット(2015年製作の映画)
4.8
サーバーのなかを蠢く電気信号のように、僕たちは世界中を動き回る群衆である。本作はそんな夜によって光が強調される街灯のような世界とハッカーカップルが自由を求めて光の混沌と戦う作品である。今まで『ヒート』『コラテラル』と観たきたけど、マイケル・マンの中でいちばん好きで、なおかついちばん出来が良いかもしれない。可視化されている現実と、不可視の世界であるサイバースペースを交錯させて、主人公のモーションによってサイバースペースが可視化されていく。ラストは銀行の監視カメラに映った二人の姿で終わるのだが、自然と涙が溢れてきた。