東京でタクシー運転手をしている男(三船敏郎)が自身の体験談を紹介していく物語
乗せたお客さんたちのエピソードをつなぎわあせて構成されています
タクシーの中で喧嘩したかと思えばイチャつくカップル(岡田茉莉子&小泉博)
車に乗ったことのない幼い子供達がお金を出し合い100円分だけお客さんになる
家出娘(青山京子)を乗せてしまい、家に帰るように説教する
芸能人(越路吹雪)を乗せて一緒にドライブ&デュエット
車内で好き放題に暴れる酔っ払い2人組(小林桂樹&藤原釜足)
息子を亡くし東京に出てきた老夫婦(小川虎之助、三好栄子)に気に入られ夕飯に誘われる
オカマのタクシー強盗？(三國連太郎)を乗せてしまい危機一髪なお話
最後は訳あり風の復員服姿の夫(山村聰)と世話をやく妻(山根寿子)、家で待つ子供達とのほろり話
劇中のセリフにもあるけど下手な小説なんかより面白い、今だとあり得ないことばかりだけど当時ならば実際にありそうな風景です
日常生活の中にある何気ないドラマ、乗ってくる乗客は様々でそれぞれが持つ事情、人生の一場面を共有するみたいな、それを可能にするタクシーの車内という特殊空間から生まれるドラマですね
新文芸坐三船敏郎特集、今日は「唄うミフネ」というテーマで「東京の恋人」との2本立て
その唄うシーンは中盤で越路吹雪とのデュエット！このシーン良かったです、2人の楽しそうでウキウキした感じが好き
どのエピソードも面白かったけど、やっぱり老夫婦のやつとこの唄うシーンのが好き
それにしても、、、キャストが凄い！
岡田茉莉子なんて出番数分しかないし、三國連太郎の怪演？的なキャラクターも印象的
そしてみなさん物語の構成上からみは三船敏郎としかない、もったいない感すらするくらい
先日の三船史郎氏のトークショーによると、この作品が一番素顔の三船敏郎に近いらしい、言われてみると確かにそんな気もしますね、人間味あふれるって感じでその魅力がよく出ているかと、もしも三船敏郎がタクシーの運転手だったら？をリアルに描けた作品なのかな
内容自体は淡々として特に何かがあるってお話でもなくしみじみ系、後々振り返ってもそんなに印象に残るって作品ではないだろうけど、素顔に近いとされる三船敏郎を劇場で見られたということで評価プラスです
