小

SAINT LAURENT/サンローランの小のレビュー・感想・評価

SAINT LAURENT/サンローラン(2014年製作の映画)
3.9
「モードって何?」なオッサンが観に行ってしまった。この映画については色々な見方があるだろうけど、個人的にはエレガント(この言葉も良くわからないけど)の裏にある苦悩の深さを徹底して描いているようにみえて結構、好感触。

とにかくタバコ。常に落ち着かないから、何もしない時はタバコを吸うしかないらしい (そのせいかこっちも落ち着かず、眠くならなかった) 。煙は常にモヤモヤし、晴れることのない心を象徴しているかのようだ。

その他にすることといったら、デザインはともかくとしても、酒を飲み、クスリをやって、男と遊び、たまに倒れる。デザインのためには自由恋愛禁止みたいなストイックさも要求される。

だからと言ってデザインを投げ出すこともできない自分への葛藤。苦悩するその姿はまさにエレガントの奴隷。世の中の先を行き、女性の気持ちをも変えるデザインを生み出し続けるには、このくらいの苦悩が必要なのか、と妙なリアリティを感じる。 観ている方もシャネル、サンローランのように泣きたくなるかも。

ただねー、ちょっと長いかな。でも、この時間の長さは苦悩の深さと比例しているのかもしれない。自分としては比較的耐えられる映画館で観てよかった。ビデオだと、挫折の恐れがあった。
小