さすらいの旅人

殺人の疑惑のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

殺人の疑惑(2013年製作の映画)
3.4
子供への異常な寵愛には注意が必要です
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/ビスタサイズ】

自分の父親が時効寸前の殺人犯人ではないかと疑う韓国サスペンス映画だ。
父親の過去の謎を追う娘の葛藤が主要テーマであるが、従来の韓国映画の雰囲気と違って、今一緊迫感が無いように思える。
恐らく私が思うにシナリオの構成がラストのオチを中心に逆行して、それに合わせて作られているような気がするからだ。それは前半の物語の不自然さやご都合主義に顕著に表れている。また、物語には不要なシーンや余計な人物もいるからだ。自然な流れからラストに向かって行くワクワク感が無いのだ。

主演の娘役は「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジン、父親役はキム・ガプスだ。両者の親子愛に溢れる微笑ましい演技、そして徐々に反目し合う姿は見応えがあった。あと、キム・ガプスが途中から娘を異常に寵愛する人物像から徐々に性格が変わっていくが、その演技にはゾットさせられた。

本作は韓国映画らしさがあるものの、ラストは少しモヤモヤ感がありスッキリしない。未解決事件をモデルにしているので致し方ないが、ズバット想像させてほしかった。