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ボス・ベイビーのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)
4.0
大人と子供の想像界は決定的に断絶していて、子供達の見る表象の世界としてのイメージにおいて、大人の世界に対するパロディが、スラップスティックなギャグの数々に乗せて繰り広げられていくワケです。

その手数とバリエーションにはもうただただ笑いましたけれども、一方で、そこには根源的な童心的ノスタルジーが、しっかりと横たわってもいる。とりわけ、忍者になりたがるテンプルトン少年の、その無邪気でピュアな憧憬には、僕は忍者になれなかった大人として、胸に迫るものを感じたワケです。

そうした童心による表象としての世界と、客観的な大人の現実を、CGアニメーションによってシームレスに描きつつ、あくまで当事者である子供のイマジネーションに寄り添って、テーマをそつなくまとめ上げているなあと。僕はコレ良く出来ていると思う。

サン=テグジュペリの『星の王子さま』を読む時のような、かつては当たり前だった感覚が時を経て呼び起こされる感慨。僕は自分の事を中学20年生だと思っていたけど、そんなもんはまだまだ全然甘かったのだなと。5歳児(推定)の見る世界を取り戻してこそ、真の漢なんじゃないかと。

社会人というwackな枠組みの中で、5歳児のリアルなflavaはマジでdope。僕はその感覚を再び得るためなら、寿命が5年縮まっても構わないと思いました。
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