MasaichiYaguchi

ボス・ベイビーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)
3.9
心が温かいもので一杯になるこの映画のエンドロールで流れるハンス・ジマー、ミシ・ヘイル、スティーブ・マッツァロによる楽曲「What the World Needs Now is Love」が、本作のテーマを言い尽くしていると思う。
マーラ・フレイジーの人気絵本「あかちゃん社長がやってきた」を原案にユニバーサル・スタジオとドリームワークス・アニメーションが初タッグを組んで製作された本作は、予告編やポスター、チラシを見れば分かるように、赤ちゃんとは名ばかりに、渋い表情でブラックスーツを着こなしている「おっさん度」全開のボス・ベイビーが主役なのだが、作品設定において原案の絵本と大きく違うところがある。
それはボス・ベイビーと同等に主役であるティムという兄の存在。
映画は兄であるティムの視点で、仲の良い3人家族に闖入してきたボス・ベイビーが引き起こす大騒動を描いていく。
私は一人っ子なので、ティムやボス・ベイビーが抱いた気持ちは真には理解は出来ないが、愛情の対象を巡る葛藤や寂しさは分かる。
この映画は、奇想天外な設定と何処か憎めない一癖も二癖もあるキャラクター達によるコミカルな展開、そして終盤では思いも掛けないハラハラ、ドキドキのアクションを織り交ぜて家族愛を高らかに謳い上げる。
少子化が社会問題になっている日本だが、本作を観て赤ちゃんが欲しくなる人が増えそうな気がします。