アキラナウェイ

ボス・ベイビーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)
3.0
年間365本チャレンジの為には子どもも利用するのだ!
子どもをそそのかして、僕がまだ観ていない映画に誘導する事もまた必要。大抵却下される中、「ボス・ベイビー」はムロツヨシが声優を担当している事でお許しを得る。アレック・ボールドウィンのボス・ベイビーっぷりも惹かれるが、この際贅沢は言うまい。

吹き替え上等!!

両親の愛情を一身に浴び、幸せに暮らしていた7歳のティモシー・テンプルトンの家にある日突然スーツ姿の赤ちゃん社長が現れる。彼はベイビー・コープ社の社長。近年赤ちゃんの人気を脅かす仔犬の存在。近々発表される新発売の仔犬の情報を探る為に送り込まれたのが彼だった。反目し合うティムとボスだが、任務が完了すればボスは会社に戻れる事を知り、ボスを我が家から追い出す為、ティムはボスに協力を約束する。

開始早々、映像の美しさに目を奪われる。
そして、ベイビー・コープ社より世界に送り出されていく赤ちゃん達の可愛さ!!

ぷりぷりお尻にベビーパウダーをぱふぱふ。
嗚呼!萌える!!

特別なミルクを飲み続けないと普通の赤ちゃんに戻ってしまうボス。彼が赤ちゃん化する瞬間もまた可愛い!!

僕、新生児好きです!!

しかーし!!

問題はその設定の甘さか。
あまりに無理がある設定は暴走し続け、ストーリーは破綻していると言って過言ではない。

スーツ姿のまま我が家に現れた赤ちゃんに、何の疑問も抱かない両親。ティムがどれだけその異常性を訴えても聞く耳を持たない彼らに、頭がおかしいのはティムと我々だろうかと思ってしまう。割とこの引っかかりが観衆にとって映画に入り込めないポイントになってしまっている。

その他、赤ちゃん(ボス)に名前がない事。
両親もおらず、子ども時代を過ごさない経営側の赤ちゃん達。
新発売の仔犬はロケットに乗せられて散布される(?)事。(お金の回収はどうするのか?動物愛護の観点からもこれはダメ)

全部引っくるめて、赤ちゃんの可愛さと勢いに任せて、矛盾満載のこの設定で突っ走るけれども!!
「え?これって?」と都度引っかかる大人達も多いだろう。

同じく架空の企業を描きながら、「モンスターズ・インク」が如何に完成度の高い作品だったかと気付かされる。

ティムが空想癖の強い子どもとして描かれていたので、そっちに絡めればもっと受け入れ易い作品に昇華されたのでは?

でも、大好きな新生児のむちむちぷりぷりを堪能出来たので一先ず良しとします。