りか

ブリッジ・オブ・スパイのりかのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.7
トムハンクスが出演する映画は大概面白いけど、例外なく本作も面白かったし、やっぱりこういう役柄が本当に似合う。
実話だそうだけれど、このドノヴァン弁護士って一体どんなメンタルしているんだろうか、凄すぎる。
こんな難易度高すぎる交渉に必要なのはきっと、高度な知性や豊富な経験、予見力と巧みなコミュニーケーション力、これに立ち向かおうとするとんでもない責任感と気概やらなんやらかんから。
これだけでももう常人じゃないし、こんなパーフェクトヒューマンなのに何が素晴らしいって、優しさと人間性がちゃんと備わっていると言うこと。
こんな人、現実に本当にいるんだ。
家族に心配かけまいと思ってのことだとはいえ、どんな人でも「ちょっもサーモン釣りにいってくる」なんて嘘貫けない...。
どこまで脚色か分からないけど、奥さんからしたらTVで夫のとんでもない偉業を知ったら、ちょっともう発狂しちゃうよね。

アベルとドノヴァンの関係性がとてもよかったなあ。
2人の人間性が小さな所作や言動で垣間見えるし、少ないコミュニーケーションの中で互いにそれを感じ取っていき、信頼関係ができていく感じがよかった。
最後は良い結末を迎えたけれど、初めにアベルを弁護するとなった時のドノヴァン弁護士もそうだし、その家族もしんどかっただろうなあ。
世間が求めていることと、自分の仕事を全うすることと、正しさとは何かみたいなせめぎ合いは絶対にあっただろうし、それを応援したいし、でもできないという心境に家族もあったのだろうな。

アベルを迎え入れる時、ハグして欲しかったなあ.....。
パワーズを笑顔でハグしながら迎え入れるシーンとの対比がまた余計に胸がきゅっとなった。

シリアスだし残酷さや当時のベルリンの様子ももきちんと描写されているけれど、ところどころフッと抜けるシーンもあり、バランス良くまとまっていてよかった!

ところで、パッケージ見て「奥さんとのハグのシーンそんな重要?」と思ったら案の定日本Ver.だけだった。
本当に蛇足感がすごい。
りか

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