ノラネコの呑んで観るシネマ

ブリッジ・オブ・スパイのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
4.8
前半は、アメリカで逮捕されたソ連スパイの裁判劇。
後半は、東ベルリンを舞台にしたソ連とアメリカの捕虜交換を巡る、丁々発止の交渉劇。
裏仕事ゆえに政府は全面に出ず、一人の敏腕弁護士に仕事を委ねる。
あらゆる面でもの凄く綿密な映画で、超一流の仕事を堪能出来る。
トム・ハンクスの主人公は根っからの法律家で、どんな圧力があっても法の下の平等という大原則から絶対にブレない。
だからこそ、本来敵であるはずの人間にも信頼を得てゆく。
こういう一見普通だけど、信念を曲げない人が、スピルバーグの好みなんだろうな。
比較のモンタージュ的なシーンの繋ぎ、巧妙に仕組まれた対照性の描写も面白い。
スパイのさらに裏方を描く地味な作品だが映画の完成度は圧倒的に高く、画面の隅々まで見応えたっぷり。
U-2撃墜シーンの凝りに凝った演出に、アクション映画監督スピルバーグの矜持を見た。
コーエン兄弟の脚本は、自分で監督する時より纏まりが良いんじゃないか。

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