円柱野郎

ブリッジ・オブ・スパイの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今、米国の良心を演じさせたら右に出る者のいないトム・ハンクス。
本作の主人公である弁護士ジェームズ・ドノヴァン役も見事にハマっているが、いかにもトム・ハンクスらしい役なので(贅沢な注文だとは思うけど)逆に安心感が強すぎたかなあ。
どちらかというと助演であるソ連スパイ、ルドルフ・アベル役のマーク・ライアンスが実に良い味を出していたと思う。
物静かなたたずまいの中に見せる覚悟の様なものというか、ドノヴァンが度々尋ねる「不安はないのか?」に対する「(不安が)役に立つのか?」というセリフが人を表していて印象的。

この物語は信念と覚悟の物語だと思う。
登場人物それぞれに信念がある。ストーリーはドノヴァン中心なので彼の“法の正義”に対する信念や“若者を救うのだ”という信念がメインだが、その信念が状況を動かして行く姿は力強くドラマチック。
コーエン兄弟の脚本も、スピルバーグの演出も心得たもので見応えがあった。
橋の上で交換を待つアベルがドノヴァンの様子を察し「待つ」と言うシーンは静かだが二人の信頼関係をよく表していてとても良いよね。

基本的にシリアスドラマだが、ところどころ良いさじ加減で入るジョークは面白い。
ソ連大使館の偽家族の退出はベタベタだがw
一方これはギャグのつもりかは分からないのだけど…、アベルを弁護するドノヴァンに「何故スパイを弁護するんだ!」と詰め寄る警官が、「俺はノルマンディーで従軍していたんだぞ!」と言っていたのが妙に可笑しくて。
(「プライベート・ライアン」でオマハビーチに上陸したトム・ハンクスに言うのかよw)