東西冷戦下で起こった、アメリカ・ソ連間の諜報活動の応戦をスピルバーグは決して撮影技法的にドラマチックに描かなかった。
そして140分の映画で、やや冗長だ。まして『キングスマン』『007』のような近代的かつ少年心を煽るスパイ道具なんて勿論登場しない。
だけどこころ揺さぶられる。
現実でこの濃密な人質交換作戦が6日間で行われていたなんて信じられない!
ラストのトムハンクスがベッドに倒れ込む姿は頷ける。拍手を送るべきだ!
「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもの。スピルバーグはまたひとつ讃えられるべき戦争映画を残した。