スピルバーグとコーエン兄弟とトム・ハンクス、そりゃもう観るしかない。
ベルリンの壁が造られていく冷戦下のドイツで、ソビエトのスパイとアメリカのスパイを交換するという、史実に基づいた物語。
西ドイツへ逃亡をはかり壁を越えようとする者が射殺されるシーンで主人公の不安を更に煽る追い討ち演出や、同じ台詞の繰り返し演出はコーエン兄弟らしい脚本。
スピルバーグのサービス精神も旺盛だった。ソビエトのスパイのさり気ない行動への容赦ないクローズアップの多用は、見たいところを剥き出しにしてくれる。
ドイツ語やロシア語は字幕で出さないが、どんな会話をしているのか見当がつく表情や身振りでの演技も良かった。
「今後どうなるのかは、車の後ろに乗せられるか抱擁されるかで分かる」というやりとりからの、主人公が橋に立ち尽くすシーンは完璧。