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ブリッジ・オブ・スパイの3104のレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.8
スピルバーグ、トム・ハンクス、コーエン兄弟。
どれかに引っかかる方は迷わず観に行かれるのが「正解」だ。
たとえ引っかからなくても三者のマッチングにより「正解」な作品になっている。

東西冷戦真っ只中の195、60年代。1人の弁護士が弁護したソ連のスパイと、ソ連に捕えられたアメリカ軍パイロットの「スパイ同士の交換劇」が話の柱。

主人公の英雄譚でも救出の感動劇でも東西対立の中での派手なサスペンスにするでもなく、あくまでも地に足がついた、派手さはないが落ち着いた、かつ重量感のあるタッチで描かれる。

終始シリアスで暗い展開だが、ところどころに含みのある笑いが差し込まれる。これはコーエン兄弟の脚本が効いているのかいないのか。「ニセ家族」のくだりなど特に。

これまでのスピルバーグ作品の出演でもわかる通り、いやそれ以上に、今作でのトム・ハンクスの安定感は素晴らしい。“Stoikiy Muzhik(不屈の男)”ぶりもまた。
それ以上に光るのがソ連側スパイのアベルを演じたマーク・ライランスの存在感。
飄々とした感じを与えつつも己の使命に背かず、そして運命を受け入れるその生き様は、彼の多くない言葉(「Would it help?」等)の間からヒシヒシと感じられ、話が進むに従い観る者の心に重く沁みてゆく。最後の「ブリッジ」でのドノヴァンとのやりとりも、言葉少なながらも奥深い。

しかし老スパイ役の彼よりもトム・ハンクスのほうが4つも年上だっただなんて。どう見てもマーク・ライランスのほうが老けているだろう。入れ歯を入れる手つきもサマになっていたぞ。